米国高配当株の投資は高配当ETFに投資をしておけば、分散してリスクを抑えつつ、手軽に配当金(分配金)をもらうことができるため、投資初心者にもハードルが低くて始めやすいです。
では具体的にどのETFに投資をすればよいのでしょうか?
今回は米国高配当ETFおすすめ4選について解説していきます。
また各ETFの特性、ETFを選ぶときのポイントについて解説します。
さらに得られる分配金のイメージ、適用される税金について解説します。
この記事を読むだけで、おすすめな高配当ETFを知れるだけでなく、ETFの選び方から米国株の配当金に対する税金の知識がつきます。
これから米国高配当株投資をしていきたいと考えている人にとって有益な情報です。
それではいってみましょう!
米国高配当ETFおすすめ4選

米国高配当ETFの中でおすすめな4つの銘柄を紹介したいと思います。
VYM
VYM(Vanguard High Dividend Yield ETF)はバンガード社の出している米国の高配当株をまとめたETFです。
ベンチマークはFTSE High Dividend Yield Indexという指数です。
設定日は2006年11月10日で、時価総額は55.8B$(2022年8月現在)となっています。
VYMのセクター割合は金融セクター、生活必需品セクター、ヘルスケアセクターが上位を占めているため、景気の回復期、不況期に強いETFといえます。

現在のVYMの経費率は年率0.06%となっています。
分配金は四半期ごとであり、3月、6月、9月、12月の4回です。
直近の分配金実績・株価の推移は下記のようになっています。

株価チャート出典:Tradingview
分配金利回りは3%前後となっています。
設定日以降の分配金の推移をみると、株価の上昇にあわせて分配金も右肩上がりで上がっているので、とても安定した分配金の推移となっています。
- 構成銘柄で多いのは金融セクター、生活必需品セクター、ヘルスケアセクター
- 経費率年率0.06%
- 分配金利回りは3%前後
- 安定した株価と分配金成長の優良高配当ETF
HDV
HDV(iShares Core High Dividend ETF)はブラックロック社のiSharesというシリーズの高配当株ETFです。
ベンチマークはMorningstar Dividend Yield Focus Indexです。
設定日は2011年3月29日で、時価総額は12.6B$(2022年8月現在)となっています。
HDVのセクター割合はヘルスケアセクター、エネルギーセクター、生活必需品セクターが上位を占めています。そのため、景気の後退期、不況期に強いETFといえます。

経費率は年率0.08%であり、VYMより多少高いものの、低い水準となっています。
分配金は四半期ごとで3月、6月、9月、12月の4回です。
直近の分配金実績・株価の推移は下記のとおりです。

株価チャート出典:Tradingview
分配金利回りは3.5%前後となっています。
分配金の推移はグラフのようになっており、右肩上がりで上がっているものの、時折減配している年もあります。
エネルギー株を多く含むため、エネルギー価格の変動に収益や株価が左右されやすいところが難点といったところでしょうか。ただし、インフレ時などエネルギーセクターの強い時期では他のETFよりも優位性があります。
- 構成銘柄で多いのはヘルスケアセクター、エネルギーセクター、生活必需品セクター
- 経費率年率0.08%
- 分配金利回りは3.5%前後
- 多少安定感に欠くがエネルギーセクターが多くインフレに強い
SPYD
SPYD(SPDR Portfolio S&P 500 High Dividend ETF)はステートストリートグローバルアドバイザーズ社の出しているSPDR(スパイダー)シリーズの高配当ETFです。
ベンチマークはS&P 500 High Dividend IndexというS&P500の配当利回り上位80社を集めた指数です。
設定日は2015年で、時価総額は9.48B$(2022年8月現在)となっています。
セクター割合は金融セクター、公益セクター、不動産セクターが上位を占めています。

現在のSPYDの経費率は年率0.07%です。
分配金は四半期ごとで3月、6月、9月、12月の4回です。
直近の分配金実績・株価の推移は下記のとおりです。

株価チャート出典:Tradingview
分配金利回りは4.0%前後となっています。
分配金の推移は先の2つのETFに比べると減配したり、増配したりと安定感は乏しいです。
他の2つのETFと大きな違いとして、VYM、HDVには含まれていなかった不動産セクターを多く含んでいます。
また金融セクターの割合も多いため、株価や分配金の動きは激しいですが、分配金利回りは4%前後と他のETFより高い水準となっています。
コロナショック時には37%も下落していたことなども考慮して、安定感ではなく少しでも多い分配金が欲しい!という人や、不動産セクターをポートフォリオに組み込みたいと考える人にはおすすめです。
- 構成銘柄で多いのは金融セクター、公益セクター、不動産セクター
- 経費率年率0.07%
- 分配金利回りは4.0%前後
- 安定感よりも分配金利回り重視、不動産セクターへの資産分散がしたい人におすすめ
VIG
VIG(Vanguard Dividend Appreciation ETF)はバンガード社の出しているETFです。
他のETFのように高い分配金利回りはないものの、連続増配をしている配当成長株を集めたETFです。
ベンチマークとなっているS&P US Dividend Growers Indexは米国株の10年以上連続増配をしている企業からなる指数です。また急激な株価の下落によって高利回りとなった企業については除外されるようになっています。
設定日は2006年4月21日で、時価総額は75.9B$(2022年8月現在)となっています。
セクター割合はテクノロジーセクター、資本財セクター、ヘルスケアセクターが上位を占めています。

現在のVIGの経費率は年率0.06%です。
分配金は四半期ごとで3月、6月、9月、12月の4回です。
直近の分配金実績・株価の推移は下記のとおりです。

株価チャート出典:Tradingview
分配金利回りは1.8%前後と決して高くはありません。その要因としてPER(株価収益率)が高い企業が多いため、利回りが低くなっていると思われます。(=支払われる分配金に対して株価が高い。)
また2018年ごろ2.0%前後であったため、分配金の成長よりも株価の成長の方が大きいようです。
長く連続増配をしている企業を集めているので、今後も分配金が安定して推移していくと思われ、今後分配金が成長していくのを感じたい人に向いていると言えます。今後の成長をとるか、現在の分配金利回りをとるか、これは個人の好みによってポートフォリオを考えるとよいと思います。
- 構成銘柄で多いのはテクノロジーセクター、資本財セクター、ヘルスケアセクター
- 経費率年率0.06%
- 分配金利回りは1.8%前後
- 長く連続増配している企業なので、今後の安定した分配金成長が期待できる
ETFによって特性が違うので好みで選ぶ
米国高配当ETFはいずれも高配当の銘柄を集めていますが、ETFによって連動する指数が違い、構成される銘柄も全く違うため、値動きや配当利回りに違いがあります。
米国高配当ETFを選ぶ際のポイントは次の通りです。
- 構成銘柄のセクター割合
- 過去の分配金の推移
- 株価の推移
- 経費率
構成銘柄のセクター割合
ETFの構成銘柄のセクター割合を見ることで、そのETFが安定した株価推移となるのか、分配金の減配リスクがどの程度あるかが分かります。
“生活必需品セクターなどの比較的株価の安定したディフェンシブ銘柄の割合が多い”というETFや、”景気敏感セクターだけど高配当な金融セクターの割合が多い”というETFなど、ETFによって特性が様々です。
一般的に景気サイクルによってパフォーマンスの良いセクターは変わってくると言われているため、特定のセクターに偏ったポートフォリオでは、景気サイクルによって資産価値の変動が大きくなり、精神的に長期保有がしにくくなるというデメリットがあります。
自分の好むセクター割合になるように、ポートフォリオを組むことが望ましいですが、はじめのうちはどれか気に入ったETFを保有するだけでも十分です。
過去の分配金の推移
設定来の分配金の実績を確認することで、このETFが安定して分配金を出し続けられているか(減配しているときがないか)、増配傾向に推移しているかといったことが分かります。
将来にわたって安定した分配金を得たいのであれば、なるべく安定して分配金を出し続けているETFの保有割合を増やすことをおすすめします。
株価の推移
分配金を得ることを目的としていながらも、株価の推移もやはり重要です。
特に米国株は成長性が著しく、高配当ETFも例に違わず大きく成長してきているので、キャピタルゲインも得られてきた過去があります。
逆に言うと下落相場が続けば、分配金はたくさんもらえたけど、株価は大きく下落してしまった…という事態が起きることも十分考えられます。(下落相場を”分配金で損失をカバーして乗り越えられた”とも考えることができます。)
経費率
米国高配当ETFは経費率の相場が年0.06%~0.08%と格安ですが、全くないわけではありません。
ETFによって大きな差はありませんが、今後変更になる可能性もなくはないので、確認しておく必要があります。
実際どのくらい分配金がもらえる?

ここまでおすすめな米国高配当ETFを紹介しましたが、分配金利回りは3~4%が相場というのがお分かりいただけたと思います。
その利回りで一体いくらぐらいの分配金になるでしょうか。
また支払われるタイミングはいつ頃でしょうか。そちらについて解説します。
分配金は四半期ごとに配られることが多い
日本の企業と違い、米国の多くの企業は3月、6月、9月、12月の四半期決算で運営されています。
そのため、配当金の支払いも四半期ごととなっている場合が多いです。概ねそれぞれの月の中頃が権利確定日となっています。ETFも同様の時期に分配金が支払われます。
3000万の資産でだいたい月5万(税引き後)
では3000万円分のVYMを保有していたとして、2021年実績である約3%の分配金利回りでどのくらいの分配金となるのか計算してみましょう。
3000万円×0.03=90万円/年
この分配金に米国での課税(10%)と、日本での所得税(20.315%)が重なるため、外国税額控除によって還付を受けないで考えると、
税引き後90万円×0.72=64.8万円/年
となります。
月あたり5万4000円となります。
※実際にはドルで分配金が支払われるため、その時の為替によって変動があります。
配当控除、外国税額控除を活用しよう
先ほども軽く説明しましたが、米国株の配当金は米国での課税10%と日本の所得税20.315%がかかる二重課税となっています。
このまま確定申告しなければ二重課税のままですが、これを回避して米国での課税分を取り戻す制度があります。これが外国税額控除といいます。
これをすることによって確定申告のあと、余計に徴収された税金が還付されることになっています。
また米国株に限らず、配当所得は総合課税か申告分離課税かを選ぶことができ、所得によっては配当控除を受けた方がお得ということもあります。
まとめ

いかがだったでしょうか
米国高配当ETFにはいくつか種類があり、それぞれに特徴があるのがお分かりいただけたと思います。
自分の好みに合わせて銘柄選びをするために、自分のやりたい投資を見つけていく必要があります。
それは少しずつ投資をやるうちに、自分はこういう目的の投資が合っている!と感じることが増えてくると思いますので、後からリバランス(調整)をしていけばいいと思います。
とりあえず少額から保有してみて、感覚をつかんでいくのがおすすめです。
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